2024/11/27 「歎異抄をひらく」

１．「歎異抄」とは

「歎異抄」は700年前親鸞聖人の弟子唯円によって著され、1〜10章までは親鸞聖人の言葉、11〜18章は唯円が当時流布していた解釈の誤りを訂正したものです。この本は明治末まで殆ど世に知られていませんでした。それは唯円の後浄土真宗の中興である蓮如上人が、「仏縁の浅い人がこれを読めば誤解を生む」と、この本を一般信徒から封印したからです。「歎異抄」で一番有名な『善人なおもって往生を遂ぐ。いわんや悪人おや』（＝善人ですら浄土へ行けるのだから、悪人はなおさら往生出来る）という一節は、「悪いことをしても救ってもらえるから大丈夫」というように曲解されているし、東大名誉教授でさえ読み間違えて「念仏さえ唱えれば救われると、親鸞は述べている」と教科書で解説し、物議をかもしたほどです。まさにカミソリの様に鋭いが自他ともに傷つきかねない内容のため、著者（高森顕徹：龍谷大学卒・宗教家1929〜）が原文と現代語訳を並記して、難解な語句に解釈を付け、親鸞の真意を説明したのが「歎異抄をひらく」（1万年堂出版）です。そのエッセンスである親鸞聖人の言葉を紹介しましょう。なおこの本は2019年にアニメーション映画にもなっています。【注１】

歎異抄をひらく（書籍）	（c）映画製作委員会

２．親鸞の言葉 【右下絵：親鸞聖人】

故親鸞聖人の御物語の趣（おもむき）、耳の底に留むる所、いささかこれを註（しる）す。 弥陀の本願に老少善悪の人を選ばず、ただ信心を要とす、知るべし。
故親鸞上人の仰せになった耳の底に残る忘れ得ぬ言葉をわずかながらも記しておきたい。老いも若きも善人も悪人も差別はない。ただ仏の約束を信ずることが大切だ。

善人なおもって往生を遂ぐ。いわんや悪人おや。自力の心をひるがえして、他力をたのみたてまつれば、真実封土の往生を遂ぐるかな。自力作善の人は、ひとえに他力を頼む心欠けたる間、弥陀の本願にあらず。念仏者は無碍の一道なり。
善人ですら浄土へ行けるのだから、悪人はなおさら往生出来る。それは自分の煩悩を捨て仏の約束に任せるから浄土に行けるのだ。自分の励む善で解決出来ると己惚れている人は、仏の本当の願い（＝全ての人を救う）の対象にはならない。ひとえに念仏し弥陀に救われた人は、全てが差障りにならぬ幸福者である。

親鸞は弟子一人も持たず候。ひとえに弥陀の御もよおしに預かりて念仏申し候人を、「わが弟子」と申す事、極めたる荒涼のことなり。念仏は行者のために非業・非善なり。ひとえに他力にして地力を離れたる故なり。
親鸞は弟子など一人もいない。弥陀の力によって仏法を聞こうとする人を、「私の弟子だ」というのは極めて傲慢不遜なことだ。念仏はそれ自体を勤めとすることでもなければ、それ自体が善であるわけではない。自分の考えることを離れて弥陀の力で行くものだからである。

【注１】「歎異抄をひらく」映画製作委員会「歎異抄をひらく」

1. お前は面白い男だな。殺すのは最後にしよう。(英語のジョーク6141)

2. 私は銀行に勤めた最初の日に首になった。 (英語のジョーク6142)

3. フレッドは大学から家に涙を流して戻って来た。「ママ、僕は貰い子だったの？」 (英語のジョーク6143)