１．マリリン・モンローとシャンパン

ピペ（英語読みだとパイパー）・エドシック社のシャンパンは、1785年創業以来華やかなイメージを持ち続け、特にハリウッド女優マリリン・モンローが「毎晩寝る前にシャネルの5番香水をつけ、毎朝グラス一杯のパイーパーエドシックシャンパンで目覚める」（“Before going to bed I am certainly smothered “Chanel ��5”, and begin a morning with glass of champagne Piper-Heidsieck”）とコメントしたことで、大変有名になりました。そのためか、現在生産される年間500万本の同社シャンパンの四分の一はアメリカで消費されるといわれており、またカンヌ国際映画祭公式シャンパンにも認定されています。

２．ロゼシャンパン：Brut Rose Sauvage

通常のピペ・エドシックブリュットシャンパンは何度も飲みましたが、今回レストラン「エルダンジュ」ソムリエ小元（こもと）さんの勧めで、ロゼ・シャンパン「ソヴァージュ」を初めて味わいました。日本での輸入販売代理店であるアサヒビールのホームページには、次の様に宣伝されています。

●ロゼシャンパンはその美しい色合い・華やかさから、シャンパンの中でも近年人気が高まっています。パイパー・エドシック社伝統の製法により、異なるぶどう畑からできたワインや、ヴィンテージの異なるリザーブ・ワイン（貯蔵ワイン）など50種の異なるベース・ワインを巧みにブレンドして造られています。さらに美しいロゼ色とフルーティな風味に仕上げるため、瓶内二次発酵前にピノ・ノワール100％で作った赤ワインをブレンドし、30ヶ月以上熟成させています。ネーミングの“ソヴァージュ”は、フランス語で “野性的”や“既成概念にとらわれない”といった意味で、同商品のイメージを表現したものとなっています。

３．テイスティング

最初甘いフルーツポンチの香りを感じましたが、口に含むと酸はさらりとして、しっかり辛口で、ラズベリーとシナモンを感じさせます。色は鮮やかで濃い目の紅色、その名(Sauvage：野生)の通り、野生の勢いを持った元気よく泡立つロゼ、という感じでした。元気の良い「野生のロゼ」に合わせて、「エルダンジュ」の元気な豊嶋シェフが出してくれた前菜は、暑い日にさっぱりした野菜とウニの冷製ムース。続いて量感のあるマグロのたたきと、アボガドに鶉卵の卵黄を乗せたもの。魚料理はコショウ鯛のポアレ・シトラスソース、そしてメインは鴨の赤ワインソースでした。このロゼワインは魚にも肉にも相性が良く、どちらかというとボディに欠けるロアールのロゼや、力強いがやや粗い感じのプロバンスのロゼとは異なり、若々しくワイルドな感じながらも、ランスの華やかなシャンパンハウスらしい洗練されたバランスを保っていました。

野菜とウニのムース（左）・ロゼシャンパン（右）	マグロとアボガド鶉卵黄乗せ
コショウ鯛のポアレシトラスソース	鴨の赤ワインソース