フランス語で蝉を意味するシガール（ｃigale：英語だとcicada）を名に付けたラングドックの赤ワイン、シガリュス(Cigalus)を飲みました。色は紫がかった非常に濃いガーネット色で、ブラックベリーの果実香そしてチョコレートの香りがして、タンニンがしっかりしていて、余韻が長く続くワインです。因みにパリに住む長女に聞いたら、蝉の”ミーンミーン”という鳴き声は、フランスでは”Crii Crii”と表記するそうです。

今回は自宅近くのイタリアン・バル「Treetree」のワインリストから選び、牛頬肉の赤ワイン煮と合わせて食べました。このお店はパスタ、ピッツアなどのイタリアンがベースですが、ワインはイタリアはもちろん、アルザスのリースリングからカリフォルニアのカベルネソービニオンまで、良心的な値段で提供してくれます。またその日の仕入れに合わせて、メニューにない特別料理が黒板に書いてあります。”雪下大根のボリート”と書かれてあったのでシェフに内容を尋ねたら、「大根を肉と一緒に煮込み、生クリームにアンチョビとイタリアンパセリを入れたソースをかけて食べるのもので、まぁイタリア風おでんといったところですね」と答えてくれました。なるほど、イタリア風おでんですかと、早速食してみるとブイヨンスープを吸い込んだ大根が、アンチョビのしょっぱさを生クリームでくるんだソースの味と良く合っていました。メインの牛頬肉赤ワイン煮は、タンニンがしっかりしたシガリュスと相性がピッタリでした。

Treetree入口	大根のボリート	牛頬肉の赤ワイン煮