７章：オーシャンゼリゼ

何度来てもパリはお洒落で楽しく、飽きない街だ。ただ歩いているだけでも、今まで気がつかなかった小さな発見にいくつも出会う。例えば今回モンテーニュ通りを歩いていてすれ違った東洋人二人。私のことをチラっと見て通り過ぎ、10m位後ろでお喋りしながらウインドウの商品を眺めていたワイフと娘の由美に、英語で突然話しかけたのだ。
東洋人：「英語ワカリマスカー？」
由美 ：「YES」
東洋人：「私ノカワリニ、ルイヴィトンノ店デバッグヲ買ッテクレマセンカ？」
由美 ：「はぁ？」
東洋人：「代金ノ10%オ礼シマス。現金ハココニアリマス。ヤッテ下サーイ」
由美 ：「お断りします！」
この二人は有名ブランド品専門のバイヤーで、彼等の買い方が尋常でないため、各店では顔写真入りのブラックリストに載っているので自分達は入店出来ない。そこで事情を知らぬ日本人観光客を見つけ、買い物を代行してもらい、謝礼として購入した商品代金の10%を手数料としてこの観光客に支払うらしい。そんなことをしてまでも何故パリでブランド品を買い漁るのか？それは手数料をそれだけ払っても、仕入れ値よりはるかに高い値段で日本で売れるからで、特に日本で半年待ち、一年待ちの人気商品はプレミアムがついて、もの凄く儲かるらしい。この手のバイヤーは日本人よりむしろ中国人・韓国人が多いという。

モンテーニュ通り	ルイヴィトン	エルメス本店	エスカーダ	買物袋を抱えた東洋人バイヤー

セーヌ川に沿って並んでいる露店の古いポスターや写真をぶらぶら眺めるのもよし、夏の間だけやっているチュールリー公園の移動遊園地の観覧車に乗るもよし、歩き疲れたらカフェでお茶を飲みながら街ゆく人々を観察するのもよし、時間を気にせず、気の向くままに外国の街を歩くのは本当に楽しい。それにしてもどうやってこんなにピッタリ間隔を詰めて停めることが出来るのか、パリっ子の路上駐車技術には脱帽である。（右下写真）

セーヌ河畔露店	チュールリー公園	総菜店ガルガンチュアのカフェ	パリの路上駐車法