８章：ワイン購入

ブランド店が建ち並ぶサントノーレ通りでワイフと娘が洋服やバッグ選びに夢中になっている間、私はタクシーを飛ばしてワインショップを巡る。三軒ほど比較して、一番品揃えが多くて値段も安かったギャラリーラファイエット百貨店(Galeries Lafayette)のグルメ特選売り場で、今まで飲む機会が少なかったサンテ・ミリオンとポムロールのワインをまとめて購入することに決めた。事前に東京で作っておいたリストと電卓を片手に、英語がしゃべれる売り場主任に相談する。「シャトーペトリュスを含んでこの地域の良いワインを4〜5本欲しいんです。予算は2,500ユーロですけど」と、話を切り出す。主任がお奨めのワインを何本か提案したが、私は「シュバル・ブランは1995年物と1998年物では120ユーロ違うようですが、それだけの差額を払っても1995年物を買うべきですか？そんなに出来が違うんですか」と突っ込む。いつも時間をかけるワイフのショッピングにはブツブツ文句をいうくせに、自分の好きなワインのこととなると、私もああでもない、こうでもない、とじっくり交渉して、結局次の5本の赤ワインを買うことに決めた。

さて大枚はたいて買ったこのワイン、確かに東京の価格に比べれば安かったけれど、デパートの定価値段であり現地にしては高めだったのか、そして中身は果たして値段に値する物なのかどうか、東京に戻ってコルクを開けて見なければ何とも言えない。（※）しかし、少なくともシャンペン1本を無料サービスしてくれる程度の買い物ではあったようだ。

【2004年9月19日　校了】

※これらのワインについてはWine & Dineコーナーで、順次寸評する予定です。