６．エルミタージュ美術館

カラバッジョ作 竪琴を弾く少年

朝10時の開館と同時にエルミタージュ美術館に入った我々はラファエロ、ダビンチ、ルーベンス、レンブラント、モネなど世界の名画を鑑賞する。パリのルーブル美術館と並び、世界的に有名なエルミタージュ美術館所蔵300万点の展示物を１枚30秒ずつ鑑賞していくと、１分間で２枚、１時間で120枚、飲み食いせず眠りもせず、ひたすら鑑賞し続けたとして１日で120 x 24＝2,880枚。300万枚すべて見るには　3,000,000÷2,880 =　1,041日 ≒ 3年弱かかる計算になる、と言われている程である。世界中から観光客が来ているな、と実感するのは、すれ違う度に聞こえてくる様々な言葉である。陽気なアメリカ人観光客が大声で英語を喋っている。こもったＲの音と独特のリエゾンでわかるフランス語が耳をかすめ、さほど上背がない男性とすれ違う時に「ミ・スクージ」（失礼）と言われて、「あ、イタリア人か」と思った。　ギリシャ国旗を持ったガイドが説明している横で、別のグループが「ハラショー！」（素晴らしい：ロシア語）とか、「エルモッソ！」（美しい：スペイン語）と声をあげている。そうかと思うと大男のロ シア人ガイドが身を屈めるように身振り手振りを交えて中国語で説明しているし、前方から来る東洋人の団体客は「・・・スミダ！」と朝鮮語で話している。もちろん我々は日本語で話しながら先へ進む。